うどん小話 番外編 その十四 キスと神々
台風を伴った秋の気配とともに列島を包んだ熱いアテネの"陶酔"の幕が下りました。この"陶酔"が覚めやまぬうちに台風16号の上陸です。志度町もかつてないほどの高潮災害。台風が過ぎれば浅間山の噴火。そして紀伊半島沖を震源とする地震(香川県は震度3)。ちょうどこの小話を書いていたところでしたので、机にしがみつきチョット恐かった。本当に、日本の国は忙しい国です。
前ページで柔道の井上選手の"投げキス"のことを書きましたが、今日は同じキスでも、神々に感謝するキスのことを書いてみます。
ヨット男子フィン級(関一人・轟賢二郎)で銅メダルを取った二人は、「ギリシャの風の神が二人に吹いてくれた」と神に感謝をしていました。女子マラソンの野口みずきさんは、シューズにキスをし「神さまに感謝します」と言いました。愛チャンのコーチは「愛ちゃんが卓球を選んだのではなく、卓球の神さまが愛ちゃんを選んだのだ」と言っていたのをおぼえています。
女子レスリングの浜口京子さんは銅メダルでしたが、最後の試合でマットの中央部にキスをし、別れを告げました(最高に楽しませてくれたのは京子さんと御両親でした。特に片目を腫らしながらの笑顔は素晴らしかった)。そして女子レスリングで銀になった伊調千春さんは、帰国後のインタビューで「もし、レスリングの神さまが行けと言ってくれるのであれば、北京を目指します」と言いました。
そうです、オリンピックは自然の神々と人間との共存と調和を祝福する祭典なのです。
白亜のギリシャ神殿は日本の神社と同じく、アニミズム(精霊信仰)の神々を祀る神殿だったのです。